『結唯本館・いよいよ開業準備スタート!』 ~オリジナルテーブル導入編・その1~
『結唯本館・いよいよ開業準備スタート!』
~オリジナルテーブル導入編・その1~
リピーター様
「今年の夏は本当に暑いねぇ、9月に入ってやっと外出る気になったよ。」
女将
「本当ですね、この異常気象で8月は外出控えていたお客様が、9月に入ったら
急にお問い合わせが増えてきたんですよ! スタッフもぐったりです。」
リピーター様
「そう言えば、本館の工事はどこまで進んだの??」
女将
「長らくお待たせしております。。先日スペインからのお客様に、バルセロナのサグラダファミリアとどっちが先に出来るか?!なんて、笑われてしまい…」
リピーター様
「確かに!(笑)」
「あちらは来年には完成しそうだよね。同じ時期なら忘れなくていいじゃない!」
「まぁ、結唯さんのことだから、ただの改装と違って色々と仕込んでいるんでしょ?」
女将
「そこは未だお楽しみで内緒なんですが、先ずは本日の前菜をどうぞ。」
リピーター様
「えっ!? 何このお盆は?」「何で出来てるの??」

女将
「実は徳島の木工芸家さんが、天然のツキ板を貼り合わせて、そこに日本古来の藍漆を塗るという特別な技法で作られたお盆なんです。」
リピーター様
「これは凄いね! 何とも言えない光の反射と模様で、すごく繊細!」

女将
「そうなんです、私も初めて見た時に感動してしまい、実は我儘言ってこの木工芸家さんに改装後のダイニングで使うテーブルをお願いしておりまして…」
リピーター様
「えぇ、これがテーブルになるの? 相当な迫力でしょ。横のサイズとか2m超えるんでしょ??」
女将
「はい、夏前から試行錯誤して頂いており、ようやく先日天板が完成したんですよ!」
リピーター様
「それは楽しみだね。納品された最初の日の予約を今からしておこう!」
女将
「取り合えず、来年早々にはリニューアルオープンしたお部屋がご利用頂けるように
なる予定…なんですが、近々是非アナウンスさせて頂きますね!」
そうなんです。大変大変お待たせしておりましたが、ようやく来年初頭には新しいお部屋の予約がはじまりそうな雰囲気になってきました。結唯の工事と言うと、やりはじめると、あそこもここも、その上であれもこれも追加したい、とついつい欲が出るもので、終わらなくなるのが常です。

それでも、暑い日も、寒い日も、雨の日も、奥様と喧嘩した日も、いつも笑顔で現場で頑張って頂いている職人さん達にお会いするたびに、くれぐれも体調に気をつけてくださいね、とお声がけせずにはいられません。
今年は猛暑からいきなり秋を通り越して冬みたいな異常気象ですから、職人さん達にとっても非常に厳しい工事になっていると思います。事故がなく、まずは竣工となればいいかな、と願う毎日です。

ただ、願ってばかりもいられず、女将の仕事としては粛々と開業の準備も必要なわけです。
その上で、「結唯らしさって何かな?」と自問自答する日々なんですが、やっぱり
結唯にお越しのお客様は、唯一無二の時間、そして空間や設えの裏側にある物語を
大切にされて何度もお越しいただきます。

「結唯さんて、なんかセレクトショップやアンテナショップみたいだよね」って
時折お客様に仰っていただくのですが、まさにそこが結唯の真骨頂かなと。
地方などでまだ小さい芽のまま開くのを待っている素敵な品々、凄いパフォーマンスがありながら知られていない食材、そして今回ご紹介します驚くような技術が沢山あるのにまだ皆様には伝わってないなと思う作品や作家さん。結唯はその発表の場であり、そこに泊まれて、価値観も共有できる、素敵な空間なんです。
もちろんじっと待っていてもその素敵な空間は出来ませんし、出会いもございませんし、本来の空気感も伝えることが出来ません。女将としては短いながら常にアンテナをはり、製作者の方々と直接お会いして、結唯のコンセプトをお話して共感していただく、その上で物語の一部に演者として参加頂く橋渡しがしたいな、と考えるようになりました。

そんな物語の演者のお一人が、今回ご紹介する四国徳島にございます、1953年創業の森工芸の森寛之さんです!
出会いは2025年初頭、あるイベントでお盆を拝見したことからでした。
そこから数ケ月後には徳島に飛び、工房での作業を拝見させていただき、普段お付き合いのある椅子の製作工場までご案内頂きました。
様々な木目、木の性質がございまして工房には沢山の材料が溢れておりましたが、近づいて触ってみると木の香りと手触りがなんとも気持ちよく。ついつい引き立ての鰹節を思い出してしまうぐらい、本物は繊細です。

このテーブルを作るには、先ずはツキ板の材料の選定から始まります。

最近では木目調、木目シート、などプリント技術が圧倒的に発達してますので、一瞬見間違えてしまうほどですが、やはり本物の触った感じと香りは、唯一無二ですね。
自然素材を出来るだけ使用している結唯には、ぴったりの材です。

作る作品によって、大判のものは職人さん二人がかりで貼り合わせたり、お盆などは
手作業でツキ板を紡いでいきます。

やはり、直接会ってお話して、実物を見てくると想い入れがより強くなりますね。
現地の皆さんも「わざわざ旅館の女将さんがいらしたの?」と驚きながらも、大変歓迎していただき、最終的には地元の美味しい居酒屋さんまでご紹介頂くほどに。
どうも女将ブログを見て、九州の蔵元まで行っており、かなりの呑んべいであるのはご存知だったようで。。

それにしても、自然が作り出した材は、とにかく繊細で美しいです。見ていて全く飽きません。
これが幅2m超のテーブルになるとは未だ想像も出来ませんが、開業時の納品が本当に楽しみです。次回以降の女将ブログにて続編ご期待ください。
今回のダイニングテーブル導入を語るには、1話のみでは物語が全く終わりませんもので、今日のブログでは天板の製作着手のみにフォーカスして終わりにします。
えっ、女将の本業は?!
もちろん、普段はしっかり女将業をさせて頂いておりますが、最近職人さんとお会いするのが本当に楽しくなり、勝手に広報担当としてお伝えさせていただいてます。
全国の職人さん、作家さん、食材の生産者さん、ご縁があれば結唯にてご一緒できれば大変嬉しいです。
「うちの作品も置かせてもらえませんか?」「この食材も使ってみてもらえませんか??」、そのようなお話は大歓迎でございます。どうぞお気軽にご連絡くださいませ!
女将および当館スタッフが、依頼がなくても勝手に代わって広報させていただきます(笑)。
開業準備が面白すぎて本業を忘れる女将
2025.09.08|CATEGORY:女将ブログ






